ビニールの城観劇記録

ビニールの城を観て来ました。舞台演劇に明るくない上に文章表現も乏しい私が感想なんぞを残すのは正直大変憚られるのですが、せっかくなので感じたことを残しておきたくてブログを開きました。

森田さんはV6を知れば知るほどに魅力を感じる人だなぁと常々思う。歌っている時、ダンスをしている時、メンバー同士で意見を交わしている時、ふざけている時。いつだって独特な間やセンスが溢れていて、あぁこの人は他人に左右されることなんてなくて、自分に正直で、でも何も気にしていないようでいて繊細で、努力家で・・・こういう人を天才って言うんだなぁ、と好きになってからの1年で何回思ったか分からない。そんな彼が没頭していて、なおかつ周りからも高い評価を受けているなんて。自分の全く知らない世界だけど、舞台俳優・森田剛を体感してみたいとずっと思っていました。

ということで念願のビニールの城だったのですが、演劇を観に行くなんてほぼ初めてで、技術的なことも含めて難しいことは何も分からない。私に理解出来るのだろうか?楽しめるかな?と少し不安な気持ちもありながらの観劇。その不安は杞憂に終わりました。森田さん演じる朝顔の生身の人間と向き合うことの出来ない孤独感や純粋さ、子どもっぽさ、やるせなさがストレートに伝わってくる。少し後ろの席で見ていた私にはその表情はあまりはっきり見えなくて、でも声と体の動きだけで、それが痛いほどに伝わってきた。唐さんの書く独特な言葉遣いの台詞を彼の声で聴いているだけでずっと心地よかった。技術がどうとか、何かと比較してどうとか、正直そういう部分は私には全く分からない。ただ朝顔というキャラクターの魅力に心を奪われて、そのどうしようもなさに胸がしめつけられるような切ない気持ちになった、ということだけが事実です。そしてきっとそれだけで十分なんだと思う。

観終わったあと、以前に読んだことのある蜷川さんの剛くんに対する言葉の数々を思い出した。言ってる意味が今になって痛いほど分かった。

「森田くんの武器は疎外感だね。世間との疎外感を体の中に持っていること。この現実社会の中に自分の居場所がない。あるフリをしても体が正直に「居場所がない」と言ってしまっている。それはすごく得難いキャラクターです。」

「森田くんは、ある状況における疎外感を肉体レベルで持っていて、それが“10代の反抗”のように一時期的なものでなく、いくつになっても失せないところが貴重なんだ。」

「森田くんて、ひねくれて隅っこにいるような印象があった。野ネズミのような。それが良かった。」

 

共演の役者さんたちも皆さん本当にすてきでした。特に宮沢りえさん、舞台でこんなにも輝く最高の人なんだって恥ずかしながら今更知りました。佇まい、声、体の美しさと、少女のような可愛さ。ずっと魅了されっぱなし。朝顔とモモの2人のやり取り、もっとずっと見ていたいって思った。いつかまた共演してほしい!

 

今年はもうヒメアノ~ルの衝撃だけでも十分すぎるほどだったのに、ビニールの城もこんなに素晴らしくて。やっぱり私はこの凄さをうまく表現する言葉を持ち合わせていないので、これからも馬鹿みたいに「ごぉくん天才・・・」を繰り返し続けることになりそうです。繰り返させてください。