アイドルが結婚するということ

中高生の頃以来、アラサーになってからジャニオタを復活した私が、初めてじっくりと「自担の結婚」というものについて考えをめぐらせたのは、TOKIO国分太一さんが結婚した時だった。そっか、自担が突然結婚を発表するかもしれないんだ!と自分に置き換えてシミュレーションした人は他にもたくさんいたんじゃないだろうか。そして私はリアルにシミュレーションしてみた結果、酷く落ち込んだことを覚えている。

落ち込んだ理由は何なのか。もちろん自分が結婚出来ると思っているわけではないし、そもそも自担を結婚したい対象と思ったことはない。それなのに何か大事な宝物を他人に奪われたような、寂しい気持ちになるからかもしれない。仲の良い友人が結婚するときのように、近くにいた人が遠くにいってしまう感覚になるからかもしれない。そして何よりも、メンバーや周りの関係者、きっと多くのファンが「おめでとう」と祝福モードの中、自分の好きな人の幸せを心から喜ぶことが出来ない、自分自身がすごく嫌だと思った。自分のことがなんだかとても醜い存在に思えて、ただのシミュレーションなのにとてつもなく自己嫌悪に陥った。いっそ「結婚するならファンやめます」ってきっぱり言える人間になれたら楽だろうなぁ、好きなのは止められないんだよなぁ、でもなんかやっぱ嫌なんだよなぁ、そんな風に思っちゃう自分が一番嫌だなぁって。こうやってめちゃくちゃ苦しむんだろうなーと思った。なんかやっぱり、好きな人の幸せを心から喜べる人が正しい人間、という発想が自分の中にあるんだろうな。出来ればそうでありたかった。分かってたけど私性格悪いな、と改めて思い知らされるような感覚になったのだ。

そんな勝手な妄想で自己嫌悪に陥りモヤモヤとした気持ちを抱えている最中、ツイッターのタイムライン上で下記のエントリーが流れてきたのである。

note.mu  ※引用許可ありがとうございます。

号泣した。自分のモヤモヤとした気持ちを救ってくれたのは、何を隠そう自担である三宅健だった。三宅さんは決して、井ノ原さんの結婚を喜んでいないわけじゃない。きちんとメンバーの結婚を喜んだ上で、全ての人がハッピーではないことをちゃんと知っているし、ゆるしてくれている。これを自分のグループのメンバーの結婚に対して言ってくれるなんて、どれだけ優しい人なんだろうと思った。

多分私はこれからもずっとこのめんどくさい感情と付き合って何度も自分が嫌になるんだろうけど、それを三宅健がゆるしてくれるのなら、私も私自身を少しゆるすことが出来るかもしれない。

 

ドリフェスに行ってきました

歌って踊るV6を、ついに生で見ることが出来ました。10月23日(日)、代々木第一体育館で行われたドリームフェスティバルにて。

natalie.mu

コンサートがないと悲しむ日々に突然舞い込んだニュース。まさかのフェスの出演。それでも歌い踊る6人が見たくて見たくて仕方なかった私には夢のようなニュースでした。無事友人のおかげでチケットも取ることができ、ウキウキして当日を待っていた数ヶ月。いざ行けるとなると次に気になるのは何をやるのか?になるわけで。

最初にセットリストについての話題が出たのは、9月19日放送の三宅健のラヂオでした。リスナーからの、「まさかこれまでの歌番組と同じような、ど定番お約束曲でそれなりなセトリじゃないですよね??」というメッセージに答える健くん。

これね、僕は言いたい。分かってないな。何も分かってないな。(中略)バランスがやっぱりありますから、世の中には。これがファンの人達だけのコンサートだったら、ファンの人達が望むものをやりたいんですけど、いかんせんそうじゃないので、まだ決まってはいないんですけど、僕はど定番が良いと思う。王道で良いと思いますけどね。自分が色んな人のライブに行ったりしていて思うことかな。知らない曲ばっかりをやられても、いたたまれない気持ちになるんだよね。

三宅健のラヂオ:bayfm78

うんうん、ですよねぇごもっともですよね!!!!V6は誰もが知っている有名な曲がたくさんあるから、やっぱりそういう王道の選曲の方が知らない人たちも一緒に絶対盛り上がれるし!!!すごく良いと思う!!!ただ、40分ぐらい出番あるんですよね?7曲ぐらいやれちゃいますかね?そしたらその中で1曲ぐらい、なんか定番曲以外でバキバキに踊ってみるとかいかがですかね・・・??

そんな淡い期待を捨てきれないまま、本番直前となる10月19日発売の週刊TVガイドに、ドリフェスに関する健くんのインタビュー記事が掲載された。

「(セットリストについて)僕のラジオにもそういう質問がいっぱい来てたけど、まぁ、今回はベタで(笑)でも、王道でやりたいって言ったら、“王道もいいけど、マイナーな曲もやってほしい”っていう意見が結構来てて。でも、僕から言わせれば、本番前にそうそうホントのことはしゃべらないからね(笑)そのままやるわけないでしょ!最初から答えを言うヤツがどこにいるの(笑)だから楽しみにしててくださいってことだよね。」

「(V6はダンスが見所と言われて)僕らのダンスが好きな人は楽しいと思ってくれるかもしれないけど、興味ない人から見たら全部一緒に見えるんじゃない?また踊ってんな、っていうことになるから、そこの工夫も必要だよね。ただ歌って踊ってだったら他のアーティストでもいいってなるから、踊るだけがすべてじゃないものを見せないと」

・・・みやけけんよ・・・・・・・・。みやけけんという人は・・・・・・。どこまで信用しか出来ないんだろう。ファンへのサービス精神を大切にしつつも、興味のない人からどう見えるかという客観性も常に持ち合わせていて、そんな健くんが今回1人でセットリストや演出考えてるなんて、そんなもんどう考えても良いものにしかならないじゃないかと。ちょっとドリフェス、始まる前から夢詰まりすぎじゃない!?と既に涙が出てくるような記事でした。

そしてついに当日を迎えたわけですが。トップバッターがいきなりV6で、何の心の準備も出来ていなかった私が時に叫んだり時に涙ボロボロ流したりしながら(笑)堪能したセットリストが、皆さんご存知のとおりでしょうが以下となります。

1.MUSIC FOR THE PEOPLE

2.TAKE ME HIGHER

3.Believe Your Smile

4.HONEY BEAT

5.fAKE

6.will

7.SP“Break The Wall”

8.Beautiful World

9.over

10.Wait for you

11.Darling

12.CHANGE THE WORLD

13.愛なんだ

14.WAになっておどろう

 だからもうマジで・・・・みやけけんよ・・・・・・。みやけけんという人は・・・・・・・!!!!!まず曲数が想定の倍ぐらいあるんですけど!!!ほとんどの曲をワンハーフぐらいの尺で怒涛のようにやった結果、フェスでやる曲数をとうに超えたボリュームとなっている・・・。定番曲と定番曲でファン大好き曲をサンドする最高の構成!バランスが鬼!バランスが神!

そして何より、ファン大好き曲の選曲がもう・・・。テレガのインタビュー読んでから改めてセットリストを予想する中で、リハーサルの時間もそんなにないだろうし、マイナー曲をやるにしても直近のコンサートでやった曲から選ばれるかな?とか思ってまして。それがまさかのfAKEですよ。2013年のツアー以来やってないfAKEをここにぶつけてくるかと!!!fAKEのイントロが流れた瞬間、周りのぶいオタたちがあまりの衝撃にうぎゃあああああああ!!!!ってとてつもない悲鳴をあげたんだけど、私は頭が真っ白になってしまって何が起こったか一瞬理解出来ず、ワンテンポ遅れて「あ、これ、fAKEでは・・・・・・」って気付いてその瞬間涙がボロボロと(笑)だって泣くよねぇこんなの。そして選曲だけでもすごいのに、今回のためだけに新たに6人の映像撮りおろして、6台のLEDパネルに流れるそれらの映像と融合した完全に新しい演出用意されてたんだよ。単独コンサートかよ!実在の6人が映像の自分と向かい合うようにしてフェイスマイフェイス・・・って歌うのめちゃくちゃかっこよかったんですよ。健くんの呟きフェイクを溜めに溜めた新しい曲構成もすっごいかっこよかったんですよ。そっからのwill、BTWって完璧すぎません??去年のコンサートDVDを見倒している我々としては、willが終わったらその瞬間にBTWのイントロ流れてゾクゾクしたいじゃないですか。それ実現してくれたんです。そんなの叫ぶに決まってます。

あと忘れちゃいけない、まさかのトロッコね!!フェスでトロッコ!トロッコが登場した瞬間の周囲のオタクたちの「えええええ!!??」って叫びめっちゃ笑った。そりゃマジかよ!?ってなるよ。2階にいた私は双眼鏡で健くんを凝視してたけど、ただでさえお客さんと距離の近いトロッコに座り込んでにこにこ笑顔振りまいてて倒れそうになりました。アイドルが本気出してころしにかかってる・・・。トロッコ演出含め、だーりん→ちぇんざわ→愛なんだ→WAっていう盛り上がらないわけがないセットリストで、トップバッターにして会場すべてを自分たちの空気にして颯爽と帰ってった6人かっこよすぎたよ。

ドリフェスって「フェス」って言いながらも通常の野外で行われるような「フェス」とは全く別物なので、正直フェス感は全くないな~って思ったけど、ただそんなドリフェスだからこそV6はここまで自分たちの演出が出来たんですよね。そこが結果的に本当に良かったなと思います。野外フェスじゃLEDパネルもトロッコも無理だから。使い慣れた会場の特性を活かして、最大限の演出でいつもの自分たちのコンサートをやってくれて、ジャニーズを初めて見る人たちにも喜んでもらえたなんて最高じゃないか。コンサート見たくて仕方がないファンが大喜びしたのはもちろん。1フェスのためにここまでやってくれたV6本当にかっこいいし、ますます大好きになりました。ただ一つだけ言わせてもらうとしたら、我々50分じゃ全然足りないので、早く次のコンサートやってください!!

 

 

※本当はもっとあの時のメンバーがあんな風で~!って具体的に各メンバーの詳細とか、演出の詳細とかいっぱい書きたかったけど、もう記憶がないんだ。感情が高ぶりすぎて代々木に記憶捨ててきたんだ。ほんと残念だね・・・。

 

ビニールの城観劇記録

ビニールの城を観て来ました。舞台演劇に明るくない上に文章表現も乏しい私が感想なんぞを残すのは正直大変憚られるのですが、せっかくなので感じたことを残しておきたくてブログを開きました。

森田さんはV6を知れば知るほどに魅力を感じる人だなぁと常々思う。歌っている時、ダンスをしている時、メンバー同士で意見を交わしている時、ふざけている時。いつだって独特な間やセンスが溢れていて、あぁこの人は他人に左右されることなんてなくて、自分に正直で、でも何も気にしていないようでいて繊細で、努力家で・・・こういう人を天才って言うんだなぁ、と好きになってからの1年で何回思ったか分からない。そんな彼が没頭していて、なおかつ周りからも高い評価を受けているなんて。自分の全く知らない世界だけど、舞台俳優・森田剛を体感してみたいとずっと思っていました。

ということで念願のビニールの城だったのですが、演劇を観に行くなんてほぼ初めてで、技術的なことも含めて難しいことは何も分からない。私に理解出来るのだろうか?楽しめるかな?と少し不安な気持ちもありながらの観劇。その不安は杞憂に終わりました。森田さん演じる朝顔の生身の人間と向き合うことの出来ない孤独感や純粋さ、子どもっぽさ、やるせなさがストレートに伝わってくる。少し後ろの席で見ていた私にはその表情はあまりはっきり見えなくて、でも声と体の動きだけで、それが痛いほどに伝わってきた。唐さんの書く独特な言葉遣いの台詞を彼の声で聴いているだけでずっと心地よかった。技術がどうとか、何かと比較してどうとか、正直そういう部分は私には全く分からない。ただ朝顔というキャラクターの魅力に心を奪われて、そのどうしようもなさに胸がしめつけられるような切ない気持ちになった、ということだけが事実です。そしてきっとそれだけで十分なんだと思う。

観終わったあと、以前に読んだことのある蜷川さんの剛くんに対する言葉の数々を思い出した。言ってる意味が今になって痛いほど分かった。

「森田くんの武器は疎外感だね。世間との疎外感を体の中に持っていること。この現実社会の中に自分の居場所がない。あるフリをしても体が正直に「居場所がない」と言ってしまっている。それはすごく得難いキャラクターです。」

「森田くんは、ある状況における疎外感を肉体レベルで持っていて、それが“10代の反抗”のように一時期的なものでなく、いくつになっても失せないところが貴重なんだ。」

「森田くんて、ひねくれて隅っこにいるような印象があった。野ネズミのような。それが良かった。」

 

共演の役者さんたちも皆さん本当にすてきでした。特に宮沢りえさん、舞台でこんなにも輝く最高の人なんだって恥ずかしながら今更知りました。佇まい、声、体の美しさと、少女のような可愛さ。ずっと魅了されっぱなし。朝顔とモモの2人のやり取り、もっとずっと見ていたいって思った。いつかまた共演してほしい!

 

今年はもうヒメアノ~ルの衝撃だけでも十分すぎるほどだったのに、ビニールの城もこんなに素晴らしくて。やっぱり私はこの凄さをうまく表現する言葉を持ち合わせていないので、これからも馬鹿みたいに「ごぉくん天才・・・」を繰り返し続けることになりそうです。繰り返させてください。

 

今更Coming Century Tour Around Asia 2001を買いました

買ったんですよ。

honto.jp

何これ~~~!!!!めっちゃ良いーー!!!!!中古でとんでもなく安いお値段で買ってしまったけど定価でもまだ安いぐらいや!!!ってぐらい良いです。当時貧乏な中学生だったので、雑誌は買えても書籍までは手が届かず買わずにいたこちら。今更だけど買ってみて本当に良かった。 

 内容はタイトルのまま、カミセンが2001年に行ったアジアツアーの写真集なんですが。何が良いってまず写真が全部良い。カミセンが放つ輝きがすごい。ツアー中に岡田21歳の誕生日をお祝いしているのでもう全員成人はしてるんだけど、この頃のカミセンの「少年アイドルの最高峰」感が眩しいです。アジアの街の店先にちょことんと座る三宅健、芝生に寝転ぶ岡田准一、大きめのシャツを着てびしょ濡れ*1で歌う森田剛。今この年齢の、この瞬間のカミングセンチュリーを切り取ってる!感がとてつもなく良くて、もう大人になって見るといちいち涙腺を刺激されましたよ・・・。加えて直筆の日記が見れるんやで。貴重やで。健くん今とも全く変わらない綺麗な字と独特な記号やスマイルマーク、抜群の安定感。「!」と「ッ」が出てきすぎかわいい。数えたい。岡田はやっぱり字が汚い。それがかわいくて愛おしい。香港は漢字なのに台湾はずっと「TAIWAN」て書いてあるかわいい。漢字書けないのかなかわいい。ごうくん、日記書いてるって事実だけでも十分にかわいいのにちょこちょこ挿絵が出てくる。豚の鼻かと思ったら目玉焼きだったかわいい。最初の2日だけ天気書いてある、3日目からはもう忘れたのかなかわいい。初日の天気が晴れ後何なのか全く分からないかわいい。健くんが撮った写真に「(けんカメラマン)」て注釈書いてあるのかわいい。1日だけ「さぼり・・・」て書いてるのかわいい。かわいいの宝庫・・・。ちなみに岡田はしれっと何も触れずに飛ばしてる日がある。健くんは1日も欠かしてない。性格出すぎ。トータルして3人とも超かわいい。オフショット的な小さい写真の数々もどれもこれも可愛くて、ずっと眺めていたくなります。いやぁ、この3人組は売れるわー。

何が言いたいかと言うと、そろそろ久しぶりにカミングセンチュリーの活動どうですか。コンサートとか。いつでも待ってます。

 

*1:当時Jr.がみんなマネしてたと言う霧吹きで頭シャーのやつ

みやけけん(37)という衝撃

三宅健さん、37歳のお誕生日おめでとうございます。

スーパーロングブランクのある私でも、さすがに「アラフォーの三宅健」は感慨深いものがありすぎる。私が最初に好きになった頃の健くんは17歳。20年前かよ!中学1年生の頃にお互いに健くんのファンである、という共通点がきっかけで仲良くなった友人とは、ロングブランクの間でも数年に一度は7月2日に「今日健くんの誕生日やね。今いくつになったんやろ?」「もしかしてもう30代か!?」みたいなメールのやり取りをしていた。メールのやり取りがない年も、心の中で「あ、今日は・・・」とか思ってたので、離れていても20年、7月2日が健くんの誕生日であることを忘れたことはなかったかもしれない。私が小中学生の頃はクラスの友達は全員学校へ行こう!を見ていて、全員カミセンの中の誰かのファンだったと言っても大袈裟ではなかった時代で*1、だからこそ先日ツイッターを賑わせた「Coming Centuryって誰?」事件では単純にジェネレーションギャップというものを真正面から受け取ったショックが大きかったんですが。冷静に考えたら当たり前のことなのに、今までぼんやりと目を逸らしてきたことをドーン!と目の前に突きつけられた的な?でも改めて夏のかけらがどれだけ名曲か、10代の頃のカミセンがどれだけキラキラと輝く少年アイドルだったかを思い出させてくれた楽しい事件でした。話が逸れましたね。

とにかく、その頃からしたら「三宅健37歳」なんて全く想像つかない衝撃的な現実だったんです。一度好きになったものや人はもうこのまま一生大好きなんだろうと信じてやまなかった中学生の頃*2、「でも将来健くんがおじさんになっても好きでいられるのかなぁ?」と時々不安に思っていたことを思い出します。おじさんになった健くんという現実に向き合えるか不安だった。しかしまさか本当の現実は「健くんは全然おじさんにならない」だったとはね!当時の自分に言っても全然信じられないだろうなぁ。子どもからしたら「37歳」て多分とても立派なおじさんなので。お父さんやん!お父さんの年やん!?状態なので。でもこれは間違いなく現実だ。あの頃の「少年の健くん」のまま37歳になっている。でもあの頃とは違って、「大人の男性の健くん」にもなっている・・・アレ?進化・・・進化している・・・!!??ただただ進化している!!!???と改めて驚き、感動が止まりません。いやーびっくりするね。じゃあ今から20年後って・・・?て考えるとやっぱり全く想像つかないけど、なんかいけるかもしれない。いけるって何が?て話だけど なんていうか、いける気がするよね・・・!これからの20年は、スーパーロングブランクは作らずにしっかりと追いかけていきたい所存です。

健くんにとって、怪我のない健康な(ここ大事)すてきな1年でありますように。

*1:トニセンは子どもにとってはお兄さんすぎまして

*2:まぁ割と今もだけど

ヒメアノ~ル初日鑑賞記録②

ネタバレ注意。まだ1回しか観てないし、その感想は数日前に既に書いたのだけど、読み返すとなんかもう全然違うwどうしても毎日色んなことを考えて色んな思いに行き着くので、思い切って2回目の感想文を書いてみる。また後で読み返したら違う、と思うんでしょうけど。

 

 

 

 

前回の記事でも分かるように、私はヒメアノ~ルをチャーミングマサことMURDER for Twoでサンドイッチしている。ヒメアノ~ルでなんだか沈んでしまった気持ちも、楽しい楽しいミュージカルで心の底から癒された・・・というのはもちろん嘘ではないのだが、その翌日の月曜日の朝。通勤の電車に揺れる小一時間の間、私の頭の中を占領していたのはやはりヒメアノ~ルという映画だった。月曜日の朝は、吉田監督の徹底的に観ている側を嫌な気持ちにさせる演出や撮り方がすごすぎるということを考えていた。思い出すだけでも不快になるようなシーンが多いが、私が最も衝撃を受けたのは、街中で偶然見つけた女性を強姦するシーンの細かい演出。それ必要ある??そんな細かい設定まで作ってそんなにも嫌な気持ちにさせます・・・!!??とため息が出るほど不快なシーン。ちなみにその演出についての監督のインタビューがこちら。映画祭でイタリア人までドン引きだったそう。ほんとこの監督、恐ろしいけどすごい人だなと改めて感じたw

www.excite.co.jp

月曜日の朝からこんなシーンを思い出して、なんだか重たい気持ちで会社に出社した私は、その時点で「やっぱりもう1回観るのやめようかな」という考えに至る。まぁこの前後にも、この映画について考える度に「もう1度観よう」「やっぱりやめよう」とコロコロと気持ちが変わってるんですけど。

さて火曜日の今日は、森田正一のことを改めてずっと考えていました。森田の気持ち悪さは一体何なんだろう?森田は計画性がない。例えば逮捕されるだとか、死刑になるだとか、人を殺したら自分にどんなことが降りかかるか・・・そんなことを考えている様子が全くない。そんなことに考えが及ぶよりももっと前の段階で、衝動的にあっさりと殺人を実行する。嘘だってそう。辻褄を合わせるとか、自分を守るとか、そんな考えに及ばないからこそ、平然とバレバレの嘘をつく。そういう部分に一切の人間味が感じられないのが、森田の気持ち悪さなのかもしれない。

でも森田は、気持ち悪い以上に悲しい。残虐な行為ばかりなのに、見ていると恐ろしい以上に、苦しく悲しい気持ちになる。森田は華奢で、非力だ。猟奇的殺人を繰り返す殺人犯となった今でも、その体型や身体能力はいじめられっ子だった高校生の頃と何も変わっていない。時間が止まっている。トランクスから伸びた細い足を見るだけで、「あ、この人高校生の頃のままだ・・・」と酷くやるせない気持ちになる。*1当時のいじめのシーンは、正直殺人シーンよりも見ていて辛いものがあった。クライマックスに出てくる、自慰行為を強制させられているときに岡田を見た森田のあの表情。あの人間をやめた瞬間のような表情が、1番脳裏に焼き付いて離れない。そこからラストシーンで、高校生の頃で止まっていた時間が今になって突然動き出して、まだ人間だった頃の森田が出てくるなんて、ちょっとあまりにも泣ける・・・。もっと自分たちとは別世界の、生まれたときから「猟奇的殺人者」という化け物だったらよかったのに。森田は間違いなく普通の男の子で、普通の人間だったのに、同じ人間に時間を止められて化け物のようにされたんだと痛感する。日常と狂気が交錯するストーリーだけど、その狂気を作り出したのも、間違いなく日常なんだなぁと。

 

そもそも私は主演の森田剛さんのファンなのでもちろんこの映画には元から興味がありまくるけど、それを差し置いても*2こんなに何日も引きずる映画があるだろうか。引きずりすぎてもう1回観るか観ないかこんなにも悩むことがあるだろうかwと言いつつも「いやもうそんなに毎日考えてるなら黙ってもう1回観にいけや・・・」と自分で自分に呆れてきているので、週末にもう一度観に行こうと思います。

*1:監督のトランクスっていう選択すごい・・・

*2:それでも一般の方々に比べたら差し置けてないことも自覚していますが

マーダー・ヒメアノ~ル初日鑑賞記録

マーダー、ヒメアノ~ルのネタバレありですご注意を。

 

 

 

 

●2016年5月26日(木)MURDER for Two初日

念願の坂本ミュージカル初体験。関西在住なので、せっかく近くでやってくれるし観に行きたいな~!と思っていたところ、運良くチケットが取れたので行ってきました。普段ミュージカルを観劇することなど一切ないのですんなり入っていけるか少々の不安もあったけど、もう本当に最高だった。とにかく色んな坂本昌行が見れる。かわいい昌行、おもしろ昌行、セクシー昌行、男前昌行。更に詳細なバリエーションを少し乱暴な表現で発表すると、クソババア昌行と純粋な少女昌行とエロバレリーナ昌行が入れ替わり立ち替わり登場する最高のミュージカル。「2人の役者が演じるのは、計13人のキャラクター」という煽り文句ですけど、13人中12人をマサが演じていますからね。マサの負担wwwwって笑うところでもありますけど、これだけのキャラクターを全て演じきる坂本昌行かっこよすぎない!!??そしてそれぞれのキャラクターに合わせた声のため、ご本人の地声で歌う歌はないんですけど、それでもリーダーの美声は健在。おまけにピアノもパーフェクトにお弾きになっているという。本当にどこまでかっこいいんだ!共演の松尾さんとの相性もピッタリで、2人のおじさんが仲良く楽しそうに演じているのを見ているだけで幸せな気持ちになります。コメディ要素が強くて笑えるシーンが満載なので、ミュージカル初心者も身構えることなく楽しめる作品であったことも、個人的にはすごく良かった。とにかく「楽しい」をお2人が全力で表現されている超ハッピーで最高のエンターテイメントです。じんわり心温まるラストの多幸感、本当に半端ないです。気持ちが高まって、あとであまりの手の痛さに後悔するぐらいの拍手を送ってしまいました。観に行ってよかった~~!!!それと同時に、全体像を把握した上で再度細かい部分も楽しみたい…!という欲がむくむくと出てきてしまったので、本日大阪千秋楽、再マーダーしてくることにしました。せっかく近くでやっているのだから、「観たいものは観れるときに観に行っておくべき」という言葉を実行しなくては。はー楽しみ。マサに夢中。

 

●2016年5月28日(土)ヒメアノ~ル公開初日

ずっと楽しみにしていた森田剛主演映画「ヒメアノ~ル」公開初日。私はこういう重たい映画をあとに引きずってしまうタイプなので、普段観ないジャンルなんですが、我等が森田剛通称モリゴウ*1初主演となったら観に行かないわけにはいきません。いつも行かない映画館を選んでみたら、個人的にあまり好きじゃないタイプの構造で「あ・・・失敗した・・・・絶対違う映画館で見直そう」と始まる前から決意していたものの、鑑賞後は案の定大量のエネルギーを消費して「もう1回見直すとかむり・・・」と抜け殻のようになってしまった。少し時間が経って落ち着いた今はやっぱりそれでももう1回観なくては!!!という気持ちになっていますが。まず、序盤のラブコメから後半一変する構成がすごい。タイトルが出てきたときは鳥肌が止まりませんでした。ここから始まるのか…という恐怖。あのゾクゾクを体験するだけでもこの映画を観る価値があると言っていいくらい。そしてもうね、森田正一さん本当にこわい。本当に気持ち悪い。観終わって24時間以上経った今も森田正一の表情が脳裏に焼きついて離れなくて、思い出してはなんともいえない悲しい気持ちに襲われる。他の出演者も全員最高で。濱田岳佐津川愛美のリアリティ溢れる、本当にどこにでもいそうなカップルっぷりが素晴らしかった。ユカみたいな女の子いるよね。めっちゃいるよね。この2人がごくごく普通だからこそ、日常に突然狂気が入り混じる気持ち悪さが際立つ。そしてこの映画の中で唯一の癒しの存在、ムロツヨシ演じる安藤さん、大好きです。後半のしんどい場面で出てくる安藤さんにどれだけ心を癒されたことかwそして何度も言うけどやっぱり森田正一が本当にすごくて、観終わったあとに思い出すのは彼のことばかり。表情も声のトーンも佇まいも、醸し出す空気すべて完璧に気持ち悪い。悲しい。ラストは少し優しいシーンで終わっているのですが、それが故に悲しい気持ちは募ってしまうという。俳優森田剛、すごかった・・・。もっと映画出てくれ。舞台でも観たいけど、もっとスクリーンでも観たいって心底思った。疲れきった昨夜は、あさイチのプレミアムトークを再生して、森田正一で消費したエネルギーを森田剛で回復するという謎の治療に成功しました。それぐらい、普段の森田さんとは全く別人でした。

 

マーダーとヒメアノ~ルをどちらも観終えて気付いたのは、あっどっちも同じ殺人ものやん!!!ということ。そんな共通点があるのに受ける印象の差たるや!!それ何か意味あるの?必要なシーンなの?ってツッコミたくなるぐらいお尻を突き出していたチャーミングマサ。悲しみと闇と気持ち悪さ全てを背負ってレイプ、猟奇的殺人を繰り返す森田剛。高低差ありすぎて耳キーンのやつ。この2人が同じグループにいる奇跡に、改めて感謝します。

※本当はAスタにおける剛健のことも書こうかと思ったけど何書いても陳腐になるからやめた。ごうけんはかたるものではなく、かんじるもの。